上野泰也(やすなり)さんは以下のとおりの無敵人生まっしぐらなエコノミストさんです。
- 上智大学文学部史学科卒業
- 法学部法律学科に学士入学後、国家公務員Ⅰ種試験に行政職トップで合格
- 1986年会計検査院入庁
- 1988年富士銀行(現みずほ銀行)入行
- 為替ディーラーを経て為替、資金、債券の各セクションでマーケットエコノミストを歴任
- 2000年みずほ証券設立にともない現職に就任
- 「日経公社債情報」エコノミストランキングで02~07年に6年連続1位を獲得
- 「東洋経済 統計月報」05年度のマーケットのエコノミスト予想的中度で総合第1位
テレビ等にも出る方なのでお話も聞ききやすかったし、難しい言葉をなんとか簡単にするよう気を使ってくれてました。
以下メモ
- 当日(2010/11/16)のニュース
- 国際通貨基金(IMF)は15日の理事会で、主要通貨と交換できる特別引き出し権(SDR)の構成比率で円が米ドル、ユーロ、英ポンドより下の第4位にランク付けされた
- 国際的通貨としてのランクダウンしたということ
- これで円高から円安へ向かうでしょう。
- 日本の海外留学性の順位世界
- 台湾にも抜かれて6位になった
- 若い頃は-バックパッカーでヨーロッパ放浪したもんだ
- 今海外への興味が薄れている
- 悲しい話ですね
- 円は戦わずして負け
- 老齢化している国の通貨
- 人民元と戦い って戦いどころか話にならない状態
- 腐ってもドル
- シェアは落ちてきているけどね
- 基軸通貨の条件を満たしているのはドルだけ
- ユーロは今年のギリシャ問題で構造的欠陥が露呈した
- とてもドルに変わる通貨にはならないと判明
- 人民元
- 中長期には成長が止まる
- カントリーリスクがある
- 貧富の差など
- 今の国際的通貨のランキング ドル>ユーロ>人民元>・・・・・・>円
- 世間にはドルについて誤解がある
- 強いドル政策の定義
- 決してドル買い介入とか高金利放置ではない
- 米国が強くなった上での成長が目的
- 市場原理に乗っ取っての成長が原則
- ドルは強すぎても弱すぎても困る通貨
- アメリカ国債は5割が外国人消化なのでドルが下がると国債が売れなくなるので困る
- ドル安を進めているということは全くない
- あくまで市場原理に則る!
- ドル以外を基軸通貨にならないかという検討
- G20で議長国になるフランスが中国とゴニョごにょ始めそう
- とはいえ簡単には切り替われない
- アメリカ経済は日本式デフレはならない
- 底力が違う
- 移民受け入れる国
- 期待値インフレ率が高い などなど体力しっかり
- 日本は新陳代謝が起こりにくい構造
- 不思議なことに倒産件数が減っている
- 新陳代謝を阻害する政策が進んでいるから
- 死に体に輸血なイメージ
- なので慢性的なデフレになる
- 底力が違う
- アメリカの現状はバブル崩壊中なので入院中のイメージ
- アメリカの低金利政策はそのうち抜ける
- 日本はまだまだ抜けない。もう15年もの間0金利政策中
- アメリカは弱っているのは間違いない
- 政策が手詰まり中
- 0金利政策をしてるのでもう伝統的な金融政策は手詰まり
- オバマ党が負けて財政政策はやりにくくなった
- 政策が手詰まり中
- 為替相場はゼロサムゲームなので一方的に勝つことはドルのジレンマから難しい
- アメリカは金融政策で無理しだした
- アメリカの株高を狙っている
- 市場から国債を吸収する発言 国債買い出した
- アメリカの家計純資産
- 2002年から右肩上がり あとからみればバブルだったね
- アメリカのGDPの7割が個人消費
- これが落ち込んだので痛かった
- アメリカいろいろ手詰まり
- なのでオバマ輸出倍増計画
- 為替の問題もあってそれほど効果なし
- 住宅バブルで潰れたなら、じゃあアメリカ株価あげてバブらせてなんとかしようぜという空気らしい
- でもバーナンキFRB議長の思ってた通りにいかなくなってきたよ
- 株高もいまいちで一段落しちゃった
- オバマはかわいそう
- 経済問題は長い目でみないとあかんと言ってきたのにアメリカ人短気でオバマ離れ
- そのためアメリカの景気が戻るのは遅いだろう
- NYで行われた白川総裁の講演
- 偽りの夜明け
- 日本では景気が度々上向いたら時あったが、偽りだった
- 人間の常(つね)として物事がいくぶん改善すると楽観的な見方になる
- ユーロ話
- 通貨統合は無理があるなと思う
- 今回のギリシャ危機でみんな気がついた
- 通貨は1つなのに財政政策がバラバラ
- 政治統合が進まない
- 国債の発行もバラバラ
- 今のアイルランドの救済問題
- いずれ救済するでしょう
- ユーロはメンバーを増やせば増やすほどぐらつく
- 船頭多くしてなんとやら
- ドイツが大国気分
- 漁夫の利でドルが基軸通貨の立場揺るがず
- ユーロは安くなっていかないと、財政金融政策はうまくいかないんじゃないか
- 財政緊縮+通過切り下げで輸出増から景気回復作戦なので
- だましだましでユーロの欠陥を解決しながらすすむのだろうな
- 人民元話
- 中国は身長が急に伸びてしまった子供
- まだまだ通過資本規制の問題などたくさんある
- だんだんインドなどの若い国に抜かれてしまうだろう
- 一人っ子政策の悪影響がくる
- 2015年で生産年齢人口がピーク
- 経済格差がひどい
- あと数年はもつけどその先はね・・・
- 中国人は日本の教訓を凄く活かしている
- 中国の方は日本の失敗をすごく勉強している
- 巧みに、だましだまし、石橋を叩いて渡るスタイル
- 中国は8%成長がおわると暴動が起きると言われている
- 人民元切り上げ要望に対して文句言われても 「文化が違うからね」として上手にかわす
- 問題の円の話
- 日本経済の3つの特徴
- 輸出依存の景気回復
- なので円高がキツイ
- 本来日本の購買力が高まるなどいいことあるんだけど
- 「この円高で海外企業買い占めてやるよ」みたいな勢いが欲しい
- 慢性的なデフレ
- 消費税引き上げ 原油高 いろいろあったけど
- べつに日銀がサボっているわけじゃないよ
- 需要と供給のバランスが悪いから
- 売り手が多すぎ
- 貸し手が多すぎ
- 超低利の常態化
- 1995年から
- ここから経済のパイが拡大しない状態
- 生産人口のピークと重なる
- 内需の縮小 デフレの片輪
- デフレがおわる目処はつかない
- 輸出依存の景気回復
- 為替介入は大海の一滴
- 最初はきくけど、あとはきかない
- 実は借金で介入資金を到達している
- 最終的には円でお支払い
- 一瞬の円安のために借金した
- お粗末な話だ 無理をして一発ぶん殴って借金増やした
- メディアからの風圧が凄かった なので可哀想なんだけど
- 米国側が原因で動いた円高なので、日本でいろいろやっても効果ないよ
- 「こんまいこと」ではないこと
- 政府の債務残高が膨らみっぱなし
- 日本の国債が国内で消化しきれない
- あと10年以内に消化しきれなくなるでしょう
- G20のなかも飛び抜けて悪い経済の日本
- そうすると外人が国債買ってくれなくなるので国債金利が膨らむ可能性大
- 自転車操業加速
- 未来の納税者への負担が増加する
- バランス調整案
- 日本の人口面をどうにかしないと
- ようこそジャパンやっているけど、観光はいまいち
- 移民受け入れ作戦
- 地方での反発強い
- 移民受け入れ問題
- 日本は移民を送り出すステージを超えて受け入れるステージに入ってきた
- 海外の知識人は移民受け入れをすべきという
- なんでやらないの?という空気
- 日銀政策
- まだ守られているもの多い まもらなきゃ
- 日本の技術力
- 日本紙幣の信頼性
- 1万円はほんとは原価20円
- 1万円を1万円たる信頼を与えているのは日銀
- こないだの発表した案
- 日銀のバランスシートに穴が空くリスクできた
- 日銀の信用を傷つける政策はやってはいけないと思う
- 通貨戦争というのは勝者なき戦い
- これからの世界経済はアメリカの退院時期を中心にして動いていくでしょう
質問コーナー
- 今後の円の動向
- 82円安抜けするでしょう
- 年末に抜けて84-85にいけるでしょう
- 円高トレンドについてはアメリカの退院時期次第
- 極端な時期はすぎたかな
- 可能性は0ではないけど
- 今の若者の内向き指向はなんで起きたんでしょう?
- インターネットの普及がいちまいかんでると思う
- 自宅に居ながら世界の情報を取れるので、そこで満足しちゃう
- あとは草食系だからかな
- 最近43才の不祥事が多い
- 前田検事やyoutube流出の自衛官
- 実は肉食世代なのです。
- 今の若者は景気がいい日本を知らない
- 保身意識強い
- リスクに対して慎重
- 40代は割食っている世代
- いい時代知っているのに恵まれてない「こんなはずじゃなかった世代」
- これからも不祥事多いだろうな フラストレーション溜まるし
- アメリカの国債購入はあまり良くないのでは
- 国債を買うというのは国債をマネタイズするということ
- 反対意見が多い
- そんなあぶないはしわたるバーナンキFRB議長
- 風当たりもあるけど
- もともと学者なので色々やりたがり
- あと日本のやり方に反対してたので、日銀とは違うぞという気持ちもないことないか
- アメリカの物価統計は食べ物やエネルギーを省いている
- だけど国民にとっては重要な要素
- それが実は値上がりしている 感じる矛盾の原因
- アメリカの退院時期は?
- アメリカ個人貯蓄率が戻ってきている
- 92年までは6ー8%で安定してた
- そこから過剰消費時代にはいってバブル崩壊
- 2008から6%ぐらいまで戻ってきた
- もうすぐ過剰消費時代が終わりかな
- そこから1ー2年かな なので2012にアメリカ退院?
- 10年はかかるというアナリストもいるけど
- 今度はバブルが膨らまずまだ穏やかな回復になるんじゃないかな
- アメリカ個人貯蓄率が戻ってきている
- 日本が景気回復したとしても、1995年ごろの日本みたいな景気回復にはならない
- 大きなお祭りが終わったと思ってください。
- みこしの一番上に乗ってた日本が祭りが終わって、一番高いところから落っこちたイメージ
- 日本は海外の危機が終っても国内の危機が終わらない
- 株価には消極的
- 株価の上昇は限定的でしょう
- 長期的には下がるでしょう
- 土地の値段も都会の集中しているところだけ値上がりする
- アメリカのハイウェイばりに人気のない土地が増えるでしょう
- 耐え切れず地方から移民受け入れを始めることでしょう